地形図・空中写真にみる歴史情報
地域の歴史を知るには「地図」をみるのが効果的です。
地図といえば何といっても「国土地理院」
国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス
http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1
自分の住んでいるエリアには次のデータが閲覧できました。
1.明治33(1900)年、大日本帝国陸地測量部、1/20000地形図
2.昭和14(1939)年、陸軍、1/11000空中写真(モノクロ)
3.昭和31(1956)年、米軍、1/7214空中写真(モノクロ)
4.昭和50(1975)年、国土地理院、1/8000空中写真(カラー)
5.昭和56(1981)年、国土地理院、1/10000空中写真(カラー)
6.昭和62(1987)年、国土地理院、1/10000空中写真(カラー)
ざっとした傾向(印象)
- 明治~戦後・・・ほとんど田んぼ。村がちらほら(あそこの村が古いのか・・・)
- 昭和50年・・・家急増!6~7割は家(2~3割は水田・山林残る)。大型建物は1割ないぐらい
- 昭和56年・・・家さらに増加。9割宅地化。うち1~2割大型建物
- 昭和62年・・・宅地でないのは山(公園)、学校(グラウンド)ぐらい。水田ほぼなくなる。
いくつかのヒントが得られました。
まず1つは、遅くとも明治には成立していた古い集落は、たしかに今でも地割りや道のつくりに「歴史」の名残がみられる。そして神社がある。
もう1つは、昭和50年ぐらいはまだ水田や山林が残っていて、「住宅地」の空間的まとまりがかろうじてあるが、昭和56年には宅地で埋め尽くされて「住宅地」の境界がなくなる。そして近年まで共同住宅が増加し、人口増加とともに「地域」の空間的認識が明らかに変化している。
地域の歴史といっても、空間的には「まわり全部田んぼだったよ」で終わるところもけっこうあるんですね・・・当たり前なのかもしれないけど、意外に重要な認識かも。