福岡市の歴史

福岡市の歴史情報を集めています

「自然史」からみた地域

自分の住む町は明治時代~戦後は田んぼで、周辺の「歴史のある町」の間を埋めるように出来上がった「目に見える歴史のない町」のようです。

う~ん。。それでいいのだろうか?「「住む場所」に「歴史」がない」と言い切ってよいのか?

戦前に水田だったという情報からさらに時代をさかのぼることはできないか。

 

とりあえず思いつくのが、「地質」レベルというか、「地球」レベルでここがどういう土地かという視点です。

国土地理院のサイトもとても便利になっていますが、地学系についても同様に便利なシステムが公開されています。

産業技術総合研究所「地質図Navi」

https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#latlon/6,35.080,132.781

 

これによると

○自分の住むまち・・・新生代ー第四紀ー完新世沖積層(礫・砂及び泥)

○北の山・・・新生代ー古第三紀層ー始新世中期ー竹谷層・上石層および相当層(砂岩・泥岩・礫岩及び石炭(凝灰岩含む))

○南東の山・・・新生代ー第四紀ー更新世後期ー中位段丘堆積物(礫・砂及び泥)

○南西の山・・・新生代ー第四紀ー更新世後期ー阿蘇火砕流堆積物(輝石角閃石デイサイト溶結凝灰岩及び非溶結のガラス火山灰・軽石)

となっていました。

 

自分の住む町は「沖積層」で、約2万年前以降、海面上昇や河川の作用によって砂や礫が堆積してできた場所のようです。海に沈んだり、川に洗われたりする場所ということで、現代(明治時代以降?)こそ治水事業のおかげで生活できる場所になったと想像できますが、それ以前はどうだったのでしょうか?

 また、周辺の山(現在は丘状の宅地)も4千万年前ぐらい?(始新世中期。現存ほ乳類の目レベルは現れていたらしい)のものから、9万年前の阿蘇火山火砕流起源のものまでかなり複雑です。

 

「地球」というレベルでもっと詳しく調べれば、自分のまちにもダイナミックな歴史を感じることができそうです。

 

余談ですが、福岡市の「自然史」を学ぶことはとても微妙です。福岡市博物館は「自然史」を除く歴史博物館です。市内には「長垂の含紅雲母ペグマタイト岩脈」(西区)や「名島の檣石」(東区)といった国指定天然記念物(鉱物)もありますし、各種希少生物も海山に生息していますが、それらを体系的に学ぶ場がないのです。そのような意味で、平成29年の「福岡市青少年科学館」(中央区六本松)のオープンが待ち遠しいです。

http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/47809/1/0320houkokusiryou.pdf